今、専門的に携わっている分野やセクションは何ですか?
居宅介護支援事業と訪問看護事業がありますが、私は訪問看護の業務を行っています。乳児から高齢者まで幅広い利用者を担当しています。また、学生の実習指導も担当しています。学生は看護学生だけでなく、医学部・薬剤学部の学生も実習にきています。
なぜその分野またはセクションを希望しましたか?
看護学校を卒業してから病棟で勤務していました。しかし病気が治癒しても自宅へ帰れず入院が長期化する患者さまが多く、なぜ自宅へ帰れないのか疑問に思っていました。退院支援をするために地域のサービスや介護保険について知識を得たいと思い、介護支援専門員の資格を取得しました。資格を取得したものの在宅で過ごされている療養者さまの生活状況がわからず、訪問看護で学びたいと思い希望しました。
綾部市立病院の地域医療の特徴について教えてください。
自治体病院で訪問看護ステーションを併設していることは大きな特徴と思います。平成8年に訪問看護ステーションが開設した当初は、開業医からの訪問看護指示書をいただく事がほとんどでしたが、今は、市立病院からの指示が60%を占めています。外来通院も1日がかりで来られる患者さんも多いので、自宅で医療的な管理が必要な方は、訪問看護との連携により、カテーテル管理、ストーマ管理、内服管理などを行いながらサポートしています。綾部市は、高齢化率が国や府の平均よりもはるかに高く37.3%です。50%を超える地域もあり要介護認定を受ける人の割合も増加しています。
地域医療に携わる上で最も大切にしていることはなんですか?
顔の見える関係づくりと連携です。地域医療に携わるスタッフは、いつでも顔を合わせられる環境ではないので、開業医の先生や介護サービス事業所へ足を運んだり、利用者宅で直接出会って情報交換が出来るようにしたり、顔を見て連携できるように心掛けています。そして、医療中心で考えるのではなく『利用者の望む暮らしは何か』と生活を中心に考えることを大事にしています。
実際の現場以外で、特に地域医療に関しての知識などを学ばれましたか?
また、それはどこで(どのような環境で)学ばれましたか?
訪問看護に配属されていからeラーニングを視聴したり、地域での多職種との意見交換会や研修で地域医療の知識を深めました。
お仕事の上で感じるやりがいを教えて下さい。
『やっぱり看護師さんに来てもらったら安心する』という言葉を聴けた時。出会った時には、病気や障害を抱えながら不安そうに暮らしておられた方が『自分の家で暮らしたい』と意欲的に生活しておられる様子をみていると、支援できて良かったと感じます。
これからの地域医療に求められる「人物像」があれば教えてください。
『人間味のある人』看護師として、もちろん知識や技術は必要です。しかし、どんな時でも人間らしい心温まる言葉や行動が利用者、家族の大きな支えとなっていると感じています。
最後に、このページを見ている方にメッセージやアドバイスをお願いします。
私たちとの出会いは、しんどい時、不安な時にあるかもしれません。そのしんどさや不安を1つ1つ取り除けるように支援しています。ひとりひとり大切な人生です。いつか人は最期がきます。その時まで自分らしく生きることができるように支援します。