ごあいさつ
地域に根ざした病院として

この度、平成30年4月1日付で院長を拝命いたしました。みなさん、どうぞよろしくお願いします。
綾部市では、まちづくりの柱に「医・職・住」を掲げて、各種施策に取り組んでいます。その中で、「医」はまず第一番目に位置づけられており、その中心に綾部市立病院があります。
綾部市立病院は、それまで一般市民にも開放されていたグンゼ病院の閉院を引き継ぐ形で、平成2年8月にオープンしました。
当院の「病院理念」は「私たちは、患者さま本位の医療に努め、地域社会から愛され、親しまれ、心あたたまる病院をめざします。」というものです。
その理念のもと、「1.救急医療体制の充実、2.生活習慣病への対応、3.癌の診断と治療、4.新生児から高齢者医療への対応、5.地域医療連携の推進」という基本方針を掲げ、日々の臨床診療にあたっております。
もう一つ、当院の大きな特徴は、「人を育てる」ということであります。教育にエネルギーを注ぐことを病院全体のコンセンサスとしており、京都府立医科大学や多くの看護、薬科大学の実習病院に指定されています。また、これまで多数の研修医を受け入れているほか、看護部の教育プログラムにも定評があり、病院の各部門で次世代の人材育成を意識した取り組みを行っています。
これらの特徴を生かし、地域に根ざした病院として、今後も一層の努力をしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
綾部市立病院 院長 高升正彦
病院の特色と近況
1.綾部地区唯一の公的急性期病院です
救急診療の充実を第一の基本方針として掲げ、軽症から重症まで、あらゆる領域の時間外・救急患者を受け入れています。平成24年8月に京都府がん診療推進病院に指定され、専門的治療や手術件数が多いのが特徴です。今後も近隣の医療機関や大学病院との連携をより一層強化し、診療機能の更なる向上に努めて参ります。
2.公益財団法人綾部市医療公社による運営で、健全経営に努めています
当院は綾部市が開設した自治体病院ですが、管理運営はいわゆる第三セクター、綾部市医療公社が担っています。長年の健全経営が評価され、自治体立優良病院表彰を二回受賞しています。平成25年4月には医療公社は公益法人の認定を受けました。厳しい医療情勢のなか、限られた医療資源を最大限に活用し効率的な運営に努めています。
3.職場環境の改善と教育環境の整備に心がけています
病院の活力増進のためには、スタッフの士気向上が大切です。それには互いに協力し合い働きやすい職場づくりに心がけること、そして将来の地域医療を担う優秀な人材を育成するために教育環境を充実させることが必要です。院内保育所設置や短時間正社員制度の採用、ワーク・ライフ・バランスへの取り組みなど、できるかぎり職場環境の改善に努めています。またプライマリケアを学ぶ最適な教育環境を活かして、学生教育や新人教育に積極的に取り組み、臨床研修病院、京都府立医科大学の教育指定病院、看護大学や専門学校の実習病院に認定されています。
4.地域包括ケア病棟を開設しました
将来の高齢化対策として、平成28年5月より「地域包括ケア病棟」を開設しました。これは手術や集中治療など急性期の治療が終了した後、在宅あるいは介護施設への復帰に向けてリハビリテーションや生活支援を行う回復期の病棟です。認知症、脳卒中など介護を必要とする方々が対象となりますが、手術後に療養を望まれる方々も、住み慣れた場所に帰る準備が出来るまで状況に応じて少し長く入院が可能となりました。
5.綾部にふさわしい地域包括ケアシステムの実現をめざします
高齢社会を見据えた国の医療制度改革が本格的に動き始めました。医療・介護・福祉・生活支援を切れ目なく一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築が喫緊の課題です。当院では連携医療室が主体となり、当院の医師、看護師、リハビリスタッフの他、ケアマネジャー、地域包括支援センター、介護福祉施設などの担当者と共に、多職種連携会議を実施しています。綾部地区における医療・介護の連携をより円滑にするために、今後、交流の輪を更に大きく広げ、綾部にふさわしい地域包括ケアシステムをめざして積極的に取り組んで行きます。
これからも地域に根ざした病院としてより一層の努力をして参ります。
地域の皆様、関係機関の皆様、ご協力ご支援どうぞよろしくお願いします。