医療技術部 臨床検査科

概要 

臨床検査は、病気の診断、治療方針の決定、治療効果の判定、病気の予防や早期発見に大きく貢献しています。臨床検査科では、患者さまに必要な様々な情報を、正確にかつ迅速に提供できるように心がけて業務を行っています。また、チーム医療のメンバーとして、ICT(感染対策チーム)、NST(栄養サポートチーム)、糖尿病教室などにも参画しています。


基本方針
病院理念、病院基本方針のもと、以下の方針で業務を行っています。


臨床検査技術を通して、地域へ質の高い医療を安定的に提供するという社会的使命を全うします



  1. 24時間365日、質の高い臨床検査の提供

  2. チーム医療の実践

  3. 患者さま目線での接遇対応

  4. 医師の要求に応えることのできる臨床検査の実践

  5. 効率的で透明な検査室運営

  6. 学術業績の蓄積

  7. ワークライフバランスのとれた職場作り

業務内容

臨床検査は、その範囲が広く、「検体検査系」「病態検査系」「生理検査系」「チーム医療」の4部門に分けることができます。それぞれの分野で、いろいろな種類の検査を行っています。

【検体検査系部門】

採血室

採血室は、個室タイプでプライバシーを守る設計が施されています。臨床検査技師および看護師、受付事務職員で業務を行っています。採血、糖負荷試験、尿検査用コップの配布などを行っています。採血管準備システムを導入し、患者さまには採血の順番が記載された番号を発券して、番号でお呼びすることで、採血の順番を把握していただけるよう工夫しています。また分析フロアを採血室のすぐ隣に配置させ、採血された検体の分析をすぐ開始させることで、採血終了から報告までの時間をできるだけ短縮させるよう心がけています。


採血受付時間
平日(月曜日~金曜日)  / 7時45分~外来診察終了まで

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生化学・免疫血清検査

生化学検査は、患者さまの血液や尿などの検体を使って病状を数値として客観的に把握する検査です。血液や尿の中には、「蛋白」や「糖」「酵素」といったなどさまざまな成分が存在しています。それらの成分の量を、大型の自動分析装置を使用して、あるものは1/10億の単位で、およそ20分の早さで正確に分析します。またエイズや肝炎などの感染症の原因となるウイルスの有無や癌などに対する腫瘍マーカー、さらには服薬された薬物の血液中の濃度もおよそ30分の早さで分析しています。当科で迅速に測定できる項目は55項目に及びます。各検査項目の意義や正常値についてはこちら(PDF)を参照してください。


■採血終了から検査結果が報告されるまでのおおよその時間
コレステロールや肝機能、貧血の検査など一般的な項目
おおよそ40分
ウイルス検査、腫瘍マーカー、甲状腺ホルモンなど
おおよそ60分


臨床検査科では、外来患者さまの検体以外に、入院患者さま、透析患者さま、救急室からの検体などを分析しています。出来るだけ待ち時間短縮のために、採血から検査結果報告までの時間を短縮できるように心がけていますが、分析が重なった場合、多少報告時間が遅れる場合がありますので、ご理解ご協力よろしくお願いします。

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一般検査

一般検査は、患者さまの尿や便、髄液(脊髄の中に満たされている液体)、精液、時には病気のためにお腹の中に溜まってしまった液体(腹水という)なども材料として扱い、その中の成分を自動分析装置を利用して分析したり、顕微鏡を使用して異常がないかの検査を行っています。患者さまに最も身近な尿検査では、糖、蛋白、赤血球、白血球、細菌などの有無を調べることで、泌尿器系疾患をはじめとするさまざまな病気の発見につながることもあります。便検査では、便への血液の混入や寄生虫がいないかなどを調べています。また精液の検査では不妊治療にも貢献しています。


尿の採取方法について
尿の検査は患者さまご自身に尿をお取りいただくことになります。正しい尿の取り方は、正しい尿検査結果につながります。「中間尿採取」(女性の患者さま)など、トイレ内の掲示をお読みいただき、可能な範囲でご協力よろしくお願いします。

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血液・凝固検査

体の全身をめぐっている血液の中には、「体のすみずみに酸素を運ぶ赤血球」「細菌などの外敵から体を守る白血球」「血を固まらせる役目を持つ血小板」「蛋白や酵素などいろいろな成分が含まれた血漿」等で構成されています。血液検査ではそれらの量や形に異常がないか検査しています。また量は正常にあっても機能していない場合もあるので、そのような質的な異常がないかもしっかり見ています。その結果、高度な貧血が見つかったり、白血病細胞が見つかったりすることもあります。また凝固検査では、血の固まりやすさを調べて、患者さまそれぞれに合った抗血栓薬の量を決めるのにも役立っています。

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輸血検査

大量な出血や治療に伴う高度な貧血に陥った場合、「救命」と「将来の生活の質向上」のために輸血が必要になる場合があります。輸血検査では、輸血を行うにあたって必ず一致させておかなければならない血液型の検査や、輸血をして副作用が出ないようにあらかじめ確認が必要な抗体の有無などの検査を行っています。献血によって提供された大切な血液を患者さまに適合した形で迅速にかつ安全に輸血していただけるように、24時間体制で検査をしています。また献血による血液を大切にする気持ちを基本に、適正な使用と有効活用に心がけています。検査は、最新の自動分析装置と輸血管理システムを用いて行います。また病棟などで実際に輸血治療が行われる場面では、患者照合システムなどを駆使し、患者さま取り違え事故を防ぐ手段も万全です。また手術まで期間があり自分の血液を手術に合わせて事前に貯めておく「自己血輸血」も外来と協力しながら積極的に行っていますので、希望される患者さまは主治医までご相談ください。

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【病態検査系部門】

細菌検査

細菌検査では、尿、便、喀痰、膿など患者さまのいろいろな検体を材料にして培養を行い、病原体の検出を行っています。また得られた病原体情報をもとにどのお薬が効果を発揮するか判断して、正しい投薬のもととなる情報を提供しています。さらにICT(感染対策チーム)の活動を通じて情報提供やサーベイランスを行い、病院全体の感染防止に大きく貢献しています。またインフルエンザウイルスをはじめとするさまざまな感染症に対する迅速検査も行っており、約15分で結果を報告しています。

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病理検査

病理検査では、患者さまの病変部から採取された細胞や組織検体(生検材料や手術材料)から標本を作製し、光学顕微鏡を用いて検査・診断を行っています。手術中に採取された組織をすばやく凍結させて標本を作製し、良悪性の診断や切除の範囲を確認する「術中迅速病理診断」も実施しています。特に乳房温存術ではこの検査が重要であり、再手術を少しでも減らす工夫をしています。また、喀痰、尿の中に含まれている細胞や、乳腺・甲状腺に細い注射針を刺して吸引した細胞を観察し、病変の推定や診断をする細胞診検査も行っています。時には病理解剖を実施し病理組織学的に詳細な検索を行うこともあります。病理学的検査は、2名の臨床検査技師が担当しており、細胞診検査は、細胞検査士の資格を持つ臨床検査技師が担当しています。最終的な病理学的診断は、病理専門医と細胞診専門医の資格を持つ医師が行っています。また、肺癌や大腸癌の分子標的治療に際して、治療薬の適用の可否や治療法の選択、薬効評価の指標として、採取された癌組織を用いて癌遺伝子変異の検査も院内で迅速に行っています。

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【生理検査系部門】

生理学的検査

生理検査は、身体から発生するさまざまな情報を、高度な医療機器を利用しながら、波形や画像に記録して検査をします。検査の種類は多種に及んでおり、循環機能検査では、心電図、ホルター心電図、動脈硬化検査などになります。その他、呼吸機能検査(肺活量など)、超音波検査(心臓、腹部、血管系、乳腺、甲状腺)、神経機能検査(脳波、筋電図、神経伝導検査、聴力検査)を行っています。また新生児を対象に、難聴を早期発見するための検査も行っています。さらにチーム医療として、心臓カテーテル検査にも積極的に関与して、迅速に診断治療が遂行できるよう24時間体制で臨んでいます。

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【チーム医療】

臨床検査科では、院内のチーム医療に積極的に参加して、患者さまの「救命」と「生活の質向上」に貢献しています。

ICT(感染対策チーム)

細菌検査室からの検査データをもとに、週一回のペースで、感染防御責任医師、感染防御リンクナース、感染防御責任薬剤師、感染防御臨床検査技師が一堂に会して、対象患者の抗生物質投薬計画などについて論議します。病院全体の感染防止のための最高機関で、職員の感染防止への教育や冬季の患者さまへのマスク着用の呼びかけも行っています。

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NST(栄養サポートチーム)

栄養状態を改善してやれば病気の早期治癒やじょくそう防止に効果的です。NSTでは、栄養管理責任医師と管理栄養士を中心に、患者さまの栄養状態を客観的に把握して、患者さま一人一人の栄養状態の改善に努めています。臨床検査技師もこのチームの一員として、検査データの提示や有効な検査活用法の助言を行っています。

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禁煙外来チーム

現在では、「たばこをやめることができないのは、一つの病気である」という捉え方が主流です。禁煙外来チームでは、患者さまの息の中の一酸化炭素濃度を調べて客観的に評価したうえで、専門の医学的知識とお薬により、患者さまの禁煙をサポートしています。

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糖尿病教室

糖尿病患者は、日本中で2,000万人、予備軍を合わせると3,500万人にのぼるといわれています。糖尿病教室では、糖尿病について正しい知識と正しい認識を持っていただき、自分の力で病気の予防や改善につなげていってもらえるようにいろいろなプログラムで患者さまをサポートしています。糖尿病食の試食会、糖尿病療養指導士の資格を持った臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、看護師による講演会、自己血糖測定装置の使用体験や定期的なメンテナンスなどを行っています。

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